人口カバー率、基地局数、建設コスト

人口カバー率


 携帯各社が発表している人口カバー率は
ドコモ 100% 
Softbank 99.98%
KDDI 99.9%
E-mobile 90%以上
UQ com 40%程度
となっています。

 人口カバー率は、市町村の役場所在地点をカバーすれば、その市町村の総人口をカバー率にカウントできるという決め事です。
 役場周辺に基地局をおけば、圏外となる地区に何千人住んでいようとも、その市町村の総人口をカバー率にカウントできてしまいます。
 ドコモの100%は、全国の役場を100%カバーしたという意味であり、圏外となる家が零という意味ではありません。
 総務省の資料によると、エリア外人口は30万人なので、カバー率は99.75%です。

 同一市町村に基地局をいくら増やしても、カバー率にカウントできる人口は増えません。
 効率的にカバー率を上げるためには役場のカバーを優先すると効果的です。
 e-mobileが8千局で90%をカバーできるのも、役場周辺に選択的に基地局を置いているのだと思われます。

基地局数

では実際に基地局数はどのくらいかというと
今年8月の各社携帯基地局数は多い順に
ドコモ103
Softbank52
KDDI40
E-mobile8
UQ com3
単位:千 誤差:1千以内
です。
 ドコモとKDDIは800MHzの基地局がそれぞれ約3万づつもっています。
 800MHzの局一つは、2GHzの局より広い面積をカバーできますので、単純に局数だけでカバー面積は決められません。

 エリア充実度を表す指標にどんな数字を使えば実感にあうのためしに、基地局数で加入者を割ってみると
加入者数は、多い順に
ドコモ55,007,000
KDDI31,052,000
Softbank21,093,000
E-mobile1,748,000
ですので、基地局あたりの加入者は、少ない順に
E-mobile
205
Softbank404
ドコモ
532
KDDI
769
です。
 充実度No.1はe-mobileというのも実感に合わない気がします。
 サービスエリア充実度を客観的に表す良い指標はないものでしょうか。

基地局建設費

 とはいえ、サービスエリア充実には大金がかかります。
 今後、携帯各社がLTE用に今後建設するLTE用基地局数
は多い順に
KDDI29,361局
ドコモ20,700局
Softbank9,000局
E-mobile6,388局
です。
 この総務省の資料にある設備投資額を基地局数で割ってみると

ドコモ1,657万円/局
Softbank1,756万円/局
KDDI2,303万円/局
E-mobile1,008万円/局
となります。LTEのためにはRANだけでなくコアネットワークにも投資するので、局の建設費とイコールではありませんが、携帯の基地局は1局1千万円以上かかる高級品だということがわかります。

カバー率向上に向けて

 総務省が推進する 無線システム普及支援事業の資料を見ると昨年度は、国が28億円の補助金を出し過疎地対策として92か所に基地局をつくっています。基地局1局あたり2,900万円の補助です。
 カバーする地域が100世帯以下だと補助金は総額の2/3ですから、基地を1つ作るのに4,270万円かかっていることになります。この他に基地局までの伝送路補助金が30.9億出ています。
 世帯数17戸の地域をカバーするために、1,298万の補助金を出したという記事が地方紙に掲載されています。1世帯あたり100万近い金額をかけて基地局を作るのは、ビジネスとして成り立ちません。

 本当の意味でのカバー率100%を目指すと、10世帯以下の過疎地にも1千万円以上かけて基地局を建設していかなくていはなりません。カバー率100%はあり得ないのかもしれません。

 PHSは基地局単体なら1局200から300万くらい、WiMAXは100万円程度と安価なようです。
 しかしPHSは倒産の危機、WiMAXには電話端末はなしです。

 フェムトセルという手段もありますが、過疎地にはインターネットサービスさえなかったりしますので、フェムトセルも使えません。

カバー率ほぼ100%の方式


静止衛星と地上波両対応デュアル携帯 - AT&T/TerreStar
AT&Tが、人工衛星TerraStar利用のデュアル携帯を発売しますが、人工衛星利用は、屋外ならカバー率ほぼ100%です。TerraStar衛星は静止軌道にあるので、遅延や出力の面でやや不利ですし、高緯度地方では、仰角が小さくなり衛星の見通しが悪くなるなどのハンディもあります。
低軌道衛星による携帯電話 - イリジウム端末
日本国内では、イリジウム衛星を利用せい衛星電話イリジウムが利用できます。
イリジウムは低軌道衛星を利用していますので、静止衛星に比べて遅延や仰角、送信電力の面で静止衛星より有利ですが、衛星が沢山必要になりますので、コスト面で不利です。イリジウムでは66機の衛星で全世界をカバーしています。
低軌道衛星によるデータ通信 - ORBCOMM
 日本国内でも、衛星を利用した通信手段はあります。ORBCOMM なら、山も海も海外もカバーします。下り9.6Kbps、上り2.4Kbps低速であること、人口衛星数が35機とイリジウムシステムお半分程度しかないため、が上空を通過するのが10分から15分に一度であり、リアルタイム性に欠けることは短所です。
静止衛星 によるインターネット接続 - IP Star
 月額3.150円の人工衛星経由インターネットが国内で利用可能です。これは、タイが打ち上げた静止軌道衛星によるインターネット接続です。モバイルシステムではありませんが、山間僻地や離島でも利用可能です。
このほかにも、順天頂衛星GPS測位可能エリア拡大などもあります。
サービスエリアの拡大には衛星利用は不可欠なようです。

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