携帯電話もクアッド・コアへ:Cortex-A5発表

 1チップ4コアまで実現可能な Cortex-A5 をARMが 発表 しています。

  Cortex-A5 Cortex-A9 が持っている1クロックで複数命令を実行できるスーパースカラー・パイプラインを削って、 消費電力と価格を低減した チップデザインです。

 1クロック1命令を実行するイン・オーダーのパイプラインになった代わりに、分岐予測機能を設けたものの、性能は1Mhzあたり 1.5DMIPS となっており、1Mhzあたり 2DMIPS Cortex-A9 より下位になります。

  Cortex-A9 のマルチコアの部分は、 Cortex-A5 に受け継がれています。マルチコア構成に対応することで高い性能スケーラビリティを持つのが特徴で、高クロックのシングルコアと比較して、安価かつ低消費電力で高性能を実現できるそうです。

 CPUの高速化は、パイプラインの数や段数を増やし、クロック周波数を高め、キャッシュ・メモリーの容量を大きくする方向でも進んでいます。
 しかし、スーパーパイプラインとスーパースカラは分岐予測精度、クロックの上昇は消費電力上昇と冷却の壁に突き当たっています。

 そこで、複数のプロセッサによる並列処理に流れが変わり、マルチコア製品が主流になりつつあります。
 マルチコア・プロセッサほとんどが各コアが同格なSMP(Symtetric Multiprocessor)ですが、昔のDECのVAX用CPUはASMP(Asymmetric Multiple Processor)でした。ASMPでは各コアに個別の役割が与えられています。
 SMPでも、メモリへのアクセス速度が均等ではないNUMA(Non-Uniform Memory Access)もでてきました。Intel Core i7はNUMAです。
 OSでは、 Windows Server 2008 R2が254論理プロセッサに対応 しています。

 しかし、Core i7のように仮想的に8コアをサポートするようになると、アプリがマルチプロセッサ対応をどこまで使いこなせるか、並列処理部分をどれだけ増やせるかがより、重要になってきます。

 高速化率 E=1/(1-r+(r/n)) をグラフにしてみると、

kousokura-ritsu.png  8コアで6倍の性能を出すためには、処理の95%以上が並列処理対応である必要があります。並列処理対応コードが全体の80%で8コアであっても処理能力は3倍にしかなりません。

 Dual Core版のARMファミリーが実力を発揮できるかどうかは、OSやアプリ、コンパイラ次第です。

CPUのマルチコア化の状況

 IBMは最大4096ThradをサポートするCPU Power7を来年発売します。IBM Power 7 は、4Thread/coreのコアを8個乗せたチップにより、

  4Thread/core×8core/chip×4chip/Multi-Tip-Module×32Socket=4096Thread

で4096Thradをサポートします。4096スレッドとまではいかなくても、各社CPUのマルチコア化は進んでいます。

 SUN:Rainbos Falls(開発コード)は、8Thread/coreを 16core 乗せたチップで128Thread
 AMD:agny-Cours(開発コード)は6コアのチップを2つ組み込んだ12コア
 Intel:Nehalem EXは8コア
 Intel:「Xeon 7400」シリーズは6 コア

  Windows Server 2008 R2は、254論理プロセッサ までサポートしていますが、R2が出るまでは、64論理プロセッサまでしかサポートされていませんでした。
ノートPCでの4core 8ThreadのCorei7を搭載したノートPC(Dell「Studio XPS 16」)が発売されています。
 ハードもソフトも、サーバーもクライアントもマルチプロセッサ対応が進んでいます。

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