Qualcommから、究極の全世界対応チップセット

  CDMA2000 も、W-CDMA も、LTEにも対応する究極のチップセットMDM9600を、 Qualcomm がサンプル提供開始 しました。

  Qualcommからの予告 にあったUMB対応はなくなり、3GPP2の規格だけに対応する9800も出てきていません。一方、対応可能最高速度は、予告の2倍になって下り100Mbps/上り50Mbpsになっています。
 MSM9200 と MSM 9600 の仕様は以下のとおりです。

  MSM9200 MSM9600
CDMA2000 EV-DO Rev.B   OK
SV-DO   OK
cdma 1x   OK
UMTS W-CDMA
TD-CDMA
OK OK
HSPA+ OK OK
LTE LTE OK OK
SV-LTE   OK

  UMTS 対応であり、TDDにもFDDにも対応しているということは、ドコモのW-CDMAと欧州 のTD-CDMA(UMTS TDD)のどちらにも対応していると思われます。

 MSM9600は、CDMA2000に対応しているだけでなく、SV:Simultaneous Voice Dataに対応しており、 音声通話とデータ通信が同時にできる仕様になっている点も、MSM9200との違いです。

 対応バンド(周波数帯)は、不明です。最近のチップは800M,1.9G,2G対応くらいは当たり前ですし、 Qualcomm の発表 にE-Mobileの名前が出てきていますので、1.7G対応にも、ぬかりはないと思われます。

 3GPP2から3GPP標準に乗り換えるKDDIやVerizonなどの通信事業者にとっては 待望のチップセットだろうと思われます。

Appleが、W-CDMAだけでなく、CDMA2000 や GSMにも対応したiPhoneの発売を計画中という噂が流れています ( 記事1 記事2 記事3 記事4 ) なっていますが、MDM9600を使えば、実現できることになります。 来年秋には、CDMA2000陣営のVerizonから"World Mode iPhone"が発売になるとの噂もあります。現在、iPhoneはW-CDMA網を運営してるAT&Tが米国内独占販売をしていますが、 AT&Tの独占が崩し、Verizonから販売らしいです。

    これを日本に当てはめると、iPhoneがソフトバンクだけでなく、cdma2000網を使っているau発売ということもあります。 通信事業者の縛りがなくなるのであれば、ドコモやe-mobileもiPhone発売。という想像もできます。
通信事業者各社が、自腹で販売奨励金をばら撒いてiPhoneの販売競争を繰り広げることになるのでしょうか。 リンゴ姫に貢ぎ続ける哀れな通信事業者たちという構図ですね。

  iPhone3GSは、ドコモだけが使っている周波数(830.0MHz~840 MHz)の端末認証( 工事設計認証番号 202XY09564991 )を受けており、 iPhone 3GS(工事設計認証を受けた特定無線設備の型式又は名称は、A1303)は、ドコモからの発売できる状態です。

 携帯電話端末が通信事業者主導で開発販売されてゆく時代から、端末ベンダー主導に移りつつあることを象徴する出来事のように思います。
通信事業者が端末ベンダーを選ぶのではなく、端末ベンダーが通信事業者を選んでいるので、 ユーザ数が大きな通信事業者でないと自社仕様の端末を作ってもらえない状態は既に発生しています。ユーザ数が多ければ、 独自方式であってもチャイナモバイルの TD-SCDMAにベンダーがすり寄ってきます

これからは、開発はベンダーに任せて、研究開発費を削ってより安価にモバイル通信を実現しようとする通信事業者と、自社技術にこだわる通信事業者の競争が面白そうです。
 開発費の回収を自社ユーザだけに求めると割高になってしまいます。割高覚悟で独自仕様による差別化するか、汎用品活用による低価格をする、その両極端の間での苦悩はますます深刻になってゆくでしょう。

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