F1マシン用GPSは高速・高精度

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 F1レース用マシンが、FIA純正の高速・高精度FIA GPS systemを義務付けられるそうです。

 FIAは、F1ドライバーのコース上での行為に関する裁定を、GPS情報を使って行うそうです。シケインのショートカット、フラッグ無視、掟破りの強引な追い越し、他車の妨害、ピット出口の白線踏み越えなどをGPS情報を元に裁定するためのGPS義務化です。

 GPSの精度は公称値は95%の確度で7.8m以内です。
 これでは、白線踏み越えなどの裁定には精度不足なので、RTK-GPS:Real Time Kinematic GPSを使うのだろうと思われます。
一般的なGPS
 携帯電話などの機器は、GPS衛星からの時刻情報を受信して測位を行いますが、この情報送信レートは、50bpsという超低レートです。このため、時刻情報を受信し終わるのに6秒かかります。
時速300KmのF1マシンは6秒で500m移動します。しかも、時刻情報は30秒に1回しか送られてきません。
 一方、時速300KmのF1マシンの軌跡を1m単位でプロットしようとすると測位周期は12msec以下にする必要があります。一般的なGPSではとても対応できません。

RTK-GPS
 一般のGPS測位は搬送波に載せられたコード(時刻情報)の伝搬時間による測位ですが、搬送波の位相による測位を行うのがRTK-GPSです。
 搬送波の位相による測位をするために、RTK-GPSでは、基準点を設けます。
 基準点と測位点(車)の両方に精密測位用GPS受信機を設置して、両方で測位を行います。
 基準点での測位データを、基準点から測位点に無線通信リンクで送信し、測位点では基準点と自身の観測データを解析しリアルタイムに精密受信機位置を決定します。

FIA純正GPS
 搭載を義務づけられるFIA独自開発品の超高精度GPSは、マシン位置を1m未満まで正確に測定できるとのこと。RTK-GPSなら数cm単位まで測定精度を上げることもできますが、軌跡を10cm単位でプロットしようとすると1msec毎に測位する必要があり、精度以前に測定頻度・速度の壁があるように思われます。
 走路妨害などが、1mの制度で判定できるかどうか微妙ですが、10msec毎の測位、つまり毎秒100回くらいの高速測位が限界なのかもしれません。
 Linuxのカーネルの割り込みはデフォルトでは10msec毎です。定義ファイルは1msec単位ですので、コンフィグを1にしてコンパイルすれば1msecまでは小さくできますが、それ以下はプログラムの修正だけでなくハードウェアの仕様も含め、ハードルが高くなっています。
 GPSも高速性の限界に挑んだ高級機というのは、F1らしいところです。

 FIAのシステムが、RTK-GPS測位をしているかどうかは不明ですが、通信を阻害しないように類似のGPSシステムは使用禁止しているのは、基準点と測位点間の無線通信を妨害しないないためのように思われます。FLAGが出ているかどうかも車載器にディスプレーするそうでうすが、これも基準点からの無線リンクを使っているものと思われます。


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