準天頂衛星のGPS

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準天頂衛星「みちびき」のGPS機能は、モバイルで使うGPSと、測量で使うGPSの2つの目的を持っています。

GPS補完(GPSの圏外対策)

都市部や山間部における測位可能エリア・時間を増大させる
GPS近代化相当の測位信号(L1C/A信号、L1C信号、L2C信号及びL5信号)を送信
GPS補強(測量の精度向上)
測距の高精度化高信頼性化
L1-SAIF信号及びLEX信号を送信
L1-SAIFは、1m以下の測位精度とインテグリティ情報による信頼度向上という意味の、 L1-Submeter-class Augmentation with Integrity Function というのがフルネームです。
みちびき」で送信する信号は、上記のとおり、全部で4周波数、6信号です。このうちGPS補完(GPSの圏外対策)に使われる4信号は以下のとおりです。
周波数
MHz
波長
m
信号名 測距コードと拡散方式 航法メッセージ みちびき 現GPS
IIR以前
GPS
近代化
Block IIR-M
GPS
近代化
Block
IIF
次世代GPS
GPS-III
L1 1575.42 0.19 L1-C/A GPSのC/AのPRN符号
と同一の符号系列
拡 散 方 式  B PSK(1)
GPSと同一のデータ構造、
ビットレート、符号化方式
航法メッセージも同様
L1C GPSのL1C信号のPRN符号
と同一の符号系列
拡散方
式はBOC(1,1)
L1CDは、GPSと同一のデータ構造、ビットレート、符号化方式
航法メッセージも同様
L1CPは、GPSのオーバーレイ符号と同一の符号系列で変調
- - -
L2 1227.6 0.24 L2C
GPSのL2C
のPRN符号
と同一の
符号系列
拡散方式
BPSK(1)
GPSと同一のデータ構造、
ビットレート、符号化方式を持
ち、航法メッセージの同様
L2C(CL)はデータレス
-
L5 1176.45 0.25 L5 GPSのL5のPRN符号と同一の符号系列
拡散
方式BPSK(10)
Iチャネルは、GPSと同一のデータ構造、
ビットレート、符号化方式を持ち、航法メッセージも
Qチャネルはデータレス
- -

ほぼGPSに準じていますので、既存GPS用ハードでも、大きな改造(ハード的な)を行うことなく、ファームウェアの改修のみで利用できるようです。
ファームの変更は、メッセージレベルでのGPSとの違いの吸収などのために必要です。GPSとの違いの詳細は、準天頂衛星システム 準天頂衛星システム ユーザインタフェース仕様書 ユーザインタフェース仕様書(JAXA)に記載されています。

GPS近代化計画
米国のGPSは、民間用はL1C/A、軍事専用はL1P/Y、L2P/Yという旧来の枠組みを捨て、L2でもL2PでC/Aコードを送るL2C信号を送信を2005年から開始しています。
民間でも、2つの周波数が使えるようになれば、電離層による電波伝播遅延の影響を補正する事が可能になるため、高精度化につながると期待されます。新しい周波数のL5信号の送信も2008年から始まっています。

GPSの精度は、GPS, A-GPS, DGPS, RTK-GPS・・・・にを参照してください。
「みちびき」では、Lバンドの実験信号(LEX信号)にも対応していますので、今後GPS信号は進化を続け、制度はますます向上するものと思われます。

各国のGPSと補完システムSBAS
DGPS による GPS精度向上では、基地局から利用できる範囲が限られます。また、航空機の航法のようにリアルタイム性が重要な用途では、GPS 衛星の故障やメンテナンスのために精度が落ちた場合、それを迅速に知るシステムがないと使えません。
このような問題を回避するために、各国が、静止衛星による GPS 補強システム(SBAS:Satellite BasedAugmentation System)を構築しています。
  • MSAS
    ひまわり6号(MTSAT-1R) (2005年2月打ち上げ)、ひまわり7号(MTSAT-2) (2006年2月打ち上げ)を使用して試験を行い、 2007年3月末に試験終了、2007年9月27日から運用を開始しています。
  • WAAS:
    INMARSAT(インマルサット)を利用した広域補強システムのSBAS で、2003年7月より運用中です。
  • EGNOS:
    ヨーロッパのSBAS で、2005年7月より試験運用中です。

みちびき」のGPSを使いみち
当面、政府が下記用途で使うようですが、(財団法人衛星測位利用推進センター)が、民間利用実証参加募集のご案内を出してもいます。
  • 国土交通省配下の(独)電子航法研究所(ENRI)による、L1-SAIF信号利用を利用した-GPS補強技術(サブメータ級)の開発・実証-
  • 国土地理院(GSI)による、LEX信号利用を利用した-GPS補強技術(センチメータ級)の開発・実証-

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