LINE電話:発信者番号の信頼性

LINE電話の発信者番号偽装が話題になっています。

ドコモ端末では、LINE電話からの電話番号が、ドコモ端末では非表示になっているので、偽装問題は起きません。

これは、ドコモがこの10年前の発信者偽装問題への対処策を遵守しているからだそうです。

発信者問題偽装問題(10年前)

発信者番号偽装は、10年ほど前に社会問題となりました。

当時は、

  • 自宅の電話番号が偽って表示され、
    「おまえの家に入って家族を人質にとっている。金を用意しろ」と言われた。
  • 実家の電話番号が偽って表示され、
    「実家に強盗に入った。親は無事だが金を用意しろ」と言われた。
  • 警察の電話番号が偽って表示され、
    「被害者が告訴すると言っている。示談にしたければ20万円が必要」と言われた

などの事件があったそうです。

偽装方法は、任意の発信者番号を付加できる「コールバックサービス」を使うという簡単な手段でした。

国際電話料金の安い国との通話は、通話料金の安い国側に、電話をかけ返してもらう(コールバックしてもらう)ほうが安価になるという国際電話料金の地域差を利用したサービスが「コールバックサービス」です。

偽装への対処

この事態への対処として、、「発信者番号偽装表示対策ガイドライン」を電気通信事業者協会(TCA)が平成17年7月につくり(TCAの発表)、これによる運用を通信事業者が開始したことにより、問題は沈静化しました。

ガイドラインには、海外からの着信時に、海外の通信事業者から送られてくる発信者番号は、着信側に送らずに一律非表示にするという対策が盛り込まれたようです。

(「発信者番号偽装表示対策ガイドライン」も非公開なので、確認はとれません。)

なぜ一律非表示か

既存の電話網(PSTN)の相互接続では、接続相手の電話網からの提示される発信者番号を、認証する仕組みが全くありません。

通信が国家事業だった頃(電電公社時代)は、通信事業者は信頼できる相手であり、偽りの情報を送ってくることは無いという前提でした。
今でも、接続相手の電話会社が信頼できるか/できないか、しか判断基準がありません。

このため、海外の通信事業者との接続の場合は、一律非表示という対策がガイドラインに盛り込まれたようです。

LINEが「発信者番号偽装表示対策ガイドライン」に抵触する理由

LINE電話は、日本の携帯--海外の電話網--日本の携帯、という経路で接続されるそうです。

(LINEは提携電話会社を非公開にしているので、確認はとれません。)

ただし、自社ユーザーの海外ローミング先からの発信など十分に信頼できる場合は、例外として、表示します。

このため、ドコモから見れば海外からの着信になるLINE電話の発信者番号は、非表示になります。

海外通信事業者をめぐるトラブル

海外へ電話させ高額請求

海外通信事業者を利用した、一見国際電話には見えないように偽装して国際電話をかけさせ、着信国側の通信会社からの払戻で利益を得る)が問題になったことがありました。

海外側の通信事業者は高額の着信料金で儲かり、業者も払い戻しで儲かるしくみです。

例えば、NTT-Cの選択番号0033と、ディエゴガルシア(国番号246)使うと「0-03-3246-xxxx」という東京03 地域のような電話番号ができます。

高額請求対策

このため、ディエゴガルシアなど問題のある国向けのダイヤル通話は停止されていた時期もありました。その時期は、当該国向けの国際通話は、オペレータ扱いの通話のみ可能でした。

その後、国際電話の発信方法が2001年に変更され、海外宛てだということが明確になりました。

通信事業者選択番号(NTT-Cなら0033)と、国番号(ディエゴガルシアなら246)の間に010を挿入するようになりました。

変更後は、「0-03-3246-xxxx」、「0-033-010-246-xxxx」となっています。

ダイアルアップ接続で高額請求

新たなダイヤルアップネットワークを自動作成することにより、ダイアルアップ接続先を海外の高額な着信課金番号へ誘導し、高額の請求をする例もありました。

海外への着信課金の払い戻して儲ける点は、上記と同じです。

ダイヤルアップが衰退したので、この問題は自然消滅しています。

コールバックサービス

10年前の発信者番号偽装問題につかわれた、「コールバックサービス」も、一部の国が自国発の通話料金を、相手国発より格安に設定して、外貨獲得を意図して開始したとも言われます。

通信事業者だから信用できるという性善説は、特に海外の場合は通用しないようです。

ガイドラインの位置づけ

電気通信事業者協会(TCA)は、業界団体であるため、ガイドラインに法的強制力はありません。

TCAが携帯電話契約者集を毎月集計していますが、イー・モバイルやウイルコムはTCAへのデータ提供を止めてしまいました。
強制力が無いので、データの提示や、ガイドラインの遵守は任意です。

したがって、auやソフトバンクが、LINE電話からの電話番号を表示させているのは違法ではありません。

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