WiFiで2km飛行するヘリ

Palace.png

WiFi接続で2km先まで制御できるラジコンヘリ「BeBop」が発売になりました。

コントローラ「SkyCotroller」と、ヘリはWiFi接続で、最大2km離れても制御可能です。

皇居を東西に横断すると1.6kmですので、皇居上空横断飛行も可能です。

航続距離は3.6km(飛行時間は12分。速度は毎秒5m)ですので、皇居を東西に往復して帰還することもできます。

皇居東端のパレスホテルの高層階からなら、西端のダイヤモンドホテルまで見渡せるので障害物なくWiFiの電波も届きます。

皇居側は曇りガラスなので視界がありませんが、ラジコンヘリからはリアルタイムの画像が送られてくるので、電波が届けばカメラによる有視界飛行もできます。

電波法がクリアできず

SkyCotroller」のWiFiは、Wi-Fi 802.11a/b/g/nで、 2.4 & 5GHz dual-band、MIMO対応。

送信出力最大 26dBm、通信可能距離が 300 mとなっています。

Bebop Drone EXTENDED RANGE packを使うと、36dBmまで出力アップして、通信可能距離が2㎞まで延びます。

ただし、電波法の特定小電力機器の出力は、10mW/MHzですので、2412〜2472MHz(2.4GHz帯)と5150〜5250MHz(5GHz帯)の合計160MHzを使った場合、総出力は1.6W(32dBm)までは許容できますが、36dBm(3.9W)では、違法になってしまいます。

皇居横断をすると、電波法違反になります(皇居外でも36dBmまで出力アップしたら電波法違反です)。

皇居上空は飛行できるか

皇居上空は、飛行禁止にはなっていないようです。

紀宮清子内親王の結婚式の際に、「皇居の半径1キロ、高度3000フィート」からの取材報道自粛を報道機関に申し入れています。

この自粛要請があったにもかかわらず、あえてヘリ取材をしたNHKは、社会的には批判されましたが、逮捕された人はいませんでした。

飛行禁止であれば、自粛要請は不要です。また、法律違反なら逮捕者も出ると思われますので、おそらく法的には飛行可能なはずです。

法律的にはOKでも、非常識な場所での飛行や禁忌に触れるような飛行は慎みたいものです。

ラジコンを飛ばして良い空域

地上から150mまでの高さであれば、空港や米軍基地、自衛隊基地、航空管制塔、航空管制レーダーなどから約9km以上離れていれば、届出や申請なしでラジコンを飛ばしても航空法違反にはなりません。

航空法はOKでも、自治体の条例で、模型飛行機の飛行を禁止している場合もあります。

たとえば、以下のような条例があります。

埼玉県都市公園条例第12条(管理者の定めた禁止行為)にもとづき、大宮公園では「エンジン付ラジコンを使用」は禁止されています。

山梨県富士五湖水上安全条例では、「遊泳者や手こぎボート等がいる場所でラジコンのボートや飛行機を操作してはいけません」となっています。

実際に飛ばすときは、周囲にラジコン禁止の立て看板などが無いか確認しておく必要があります。

航空法や条例に違反しない場所であっても、ラジコンが墜落して損害を与えた場合の責任は逃れられないので、石油備蓄場所などの危険地帯上空や、夜間、雨や強風の中での飛行などは避けたほうが無難です。

高度150m以下なら航空法には違反しない理由

航空法施行規則第二百九条の第四項第三号」で、模型飛行機250m以上(航空路外)/150m以上(航空路内)の空域飛ばすことが「飛行に影響を及ぼすおそれのある行為」として規定されています。

150m以上は禁止=150m以下ならOKです。

航空法施行規則第二百九条の四
法第九十九条の二第二項 の航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為で国土交通省令で定めるものは、次の各号に掲げる行為とする。
 ロケット、花火、ロックーンその他の物件を法第九十九条の二第二項 の空域のうち次に掲げる空域に打ちあげること。

 進入表面、転移表面若しくは水平表面又は法第五十六条第一項 の規定により国土交通大臣が指定した延長進入表面、円錐表面若しくは外側水平表面の上空の空域
 航空路内の地表又は水面から百五十メートル以上の高さの空域
 地表又は水面から二百五十メートル以上の高さの空域
 気球(玩具用のもの及びこれに類する構造のものを除く。)を前号の空域に放し、又は浮揚させること。
 模型航空機を第一号の空域で飛行させること。
 航空機の集団飛行を第一号の空域で行うこと。
 ハンググライダー又はパラグライダーの飛行を第一号イの空域で行うこと。

上記施工規則の元は、(航空法第九十九条の二)の「飛行に影響を及ぼすおそれのある行為」が禁止です。

航空法第九十九条の二
何人も、航空交通管制圏、航空交通情報圏、高度変更禁止空域又は航空交通管制区内の特別管制空域における航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのあるロケットの打上げその他の行為(物件の設置及び植栽を除く。)で国土交通省令で定めるものをしてはならない。

ただし、地上150m以下であっても、下記の空域は、ラジコンを飛ばす行為は、「飛行に影響を及ぼすおそれのある行為」として禁止されています。

  • 航空交通管制圏:航空機の離陸及び着陸が頻繁に実施される飛行場及びその一定の空域
  • 航空交通情報圏:上記の飛行場以外の国土交通大臣が指定する飛行場及びその一定の空域
  • 高度変更禁止空域又は航空交通管制区内の特別管制空域:航空交通が輻輳する空域

上記の空域は、国土交通省や自衛隊、米軍が管轄している以下の空域であり、空港や米軍基地、自衛隊基地、航空管制塔、航空管制レーダーなどが該当します。

これらの施設から概ね9㎞以上離れた場所であれば上記禁止空域に該当しませんので、高度150m以下でのラジコン飛行機の飛行は制限されません。

下図のオレンジ色のOKの部分が、ラジコンOKな空域です。

Aviation-Policy.png


Flight-ristriction-around-air-ports.png

実際には、空港周辺の管制空間は複雑です。

航空法にある「侵入表面」、「水平表面」などは右図のようになっています(東京航空局の場合)。

福岡の侵入管制区は、下図のようになっています。

Fukuoka-FIR.png




水平表面は空港の中心から4㎞まで、侵入表面は滑走路の端から3㎞までしかありませんが、空港の中心から半径9kmは、地上までが管制圏になっていますので、9km以内は高度150m以下でも飛行NGです。

150m以上の高度で飛ばす場合の手続き

「無操縦者航空機」としての飛行許可取得すれば、どんな高高度でも飛行できます。

(航空法第八十七条)には、「無操縦者航空機」が規定されています。

「無操縦者航空機」は、航空交通管制圏、航空交通情報圏、高度変更禁止空域又は航空交通管制区内の特別管制空域を、国土交通大臣の許可を得れば飛行できる(航空法第八十七条)ことになっています。

SDF-UAV.png

自衛隊が、UAV:無人飛行機(右の写真)を飛ばす時は、国土交通大臣へ通報し、AIP SUP・NOTAMを発行したうえで、4万フィート(1200m)程度の高度で飛行実験を行っています。

AIP SUP(航空路誌補足版 ): Aeronautical Information Publication SUPplements
NOTAM'(航空情報 ):Notice To AirMen

なお、軍事用の無人機(UAV)の制御は、さすがにWiFiではなく、VHFや衛星通信をつかって地球の裏側からでも無人機を制御できるようです(軍事用モバイルネットワーク)。

自衛隊の場合は、国土交通大臣へ通報すれば許可が下りるようですが、一般人が、国土交通大臣の許可を得る方法は明確に規定されていいません。

国交省のサイトを見ると、

  • 提出方法:お問い合わせください。
  • 申請書様式:お問い合わせください。
  • 記載要領:お問い合わせください。
  • 添付書類:お問い合わせください。
  • 問い合わせ先:国土交通省航空局安全部運航安全課03-5253-8111(内線50135)

となっていて、何も記載されていません。

航空機としての許可取得は飛行不可能

ラジコンが、「航空機」として飛行許可を得ることはできません。

人が乗らなければ航空法上の「航空機」ではないので、ラジコンは「航空機」に対する規制は受けませんが、飛行許可も得られません。

「航空機」とは、人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船その他制令で定める航空の用に供することができる器機をいう。(航空法第二条)

自衛隊のUAV(無人飛行機)も、航空機には該当せず、「航空機」に対する規制はうけません.

気球も、飛行機、回転翼航空機(ヘリコプター)、滑空機(グライダー)、飛行船に該当しないので、「航空機」に対する規制はうけません。

自衛隊のUAV:無人飛行機も、航空機には該当せず、「航空機」としての飛行許可を得られません。

このため、自衛隊であってもUAVを「無操縦者航空機」として飛行させるしかありません。

民間の場合は、個別に根気よく「無操縦者航空機」としての飛行許可取得に挑戦するしかありません。

とはいえ、UAV(無人飛行機)の飛行ルールを明確化するために、航空法の改定を検討しているそうですから、いずれUAV(無人飛行機)の高高度飛行ルールが明確化されるかもしれません。

なお、有人ヘリコプターや有人飛行機は、市街地上空では300m以下を飛行禁止です。
低空からの空撮は、ラジコンの独壇場です。

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