自前HLR/HSSでのコスト削減額

ドコモがIIJにHLR/HSSを解放したことにより、IIJは、ドコモへの支払う料金を5年間で40億円から200億円削減できる可能性があります。

HLR/HSSを解放に伴う設備投資が、仮に50億円だったとしても、5年で回収できることになります。

(1)SIM貸与料で5億減

現時点でMVNO(IIJ)は、MNO(ドコモ)から、SIMカードと、その管理機能(HLR/HSS)を合わせて借りています。
ドコモがIIJにHLR/HSSを解放したことにより、SIMはドコモから貸与ではなく、MVNO自社調達することになります。

ドコモの「MVNO様向け卸携帯電話サービス概要のご説明資料」によれば、USIM貸与料は394円(税別)となっています。

IIJの契約回線数は年間60万ペースで増加していますので、60万×394円で2.36億です。ドコモへの支払いは、税込で年間2.55億円になります。

IIJが、SIMをジェムアルトなどのSIMカードのベンダーから独自調達する費用が、1枚150円だとしても、年間1.65億円のコスト削減になります。

解約も考えると、新規USIM調達数は、契約回線増加数より多くなるので、USIM自前調達による削減額は1.65億以上になりますが、解約は考慮していません。

年間60万ペースで契約回線数増加が鈍化して、5年間合計の増加数(新規契約回線数)が180万だったしても、、5年で5億円の削減になります。

(2)回線管理機能料金で35億から100億減

ドコモのMVNO接続約款によると、 Xi特定接続契約者回線管理機能料金として月額101円かかります。

HLR/HSS(加入者管理機能)借用から自社調達に切り替えることにより、この101円が50円減額になるとすると、200万回線×50円×12ヵ月=12億円の削減になります。

2017年200万2018年に260万、19年に320万、20年350、21年380万だすると、5年間総額で90.6億円のドコモへの支払い額の削減になります。

回線管理機能料金が60円減額になれば、108.7のドコモへの支払い額削減に

回線管理機能料金が20円減額だとしても、36.2のドコモへの支払い額削減になります。

Xi特定接続契約者回線管理機能料金が、HLR/HSSの解放によりいくら減額されるかは不明ですが、管理機能(HLR/HSS)をMNOから借りても、借りなくても場合と同一料金とはならないと思われます。

(3)IIJが回線獲得目標達成なら削減額は2倍

ここまでの試算は、IIJの獲得回線数が、目標値の50%どまりだと仮定した場合の数字です。

IIJは、2017年度200万回線、2020年度末 700万回線規模目標と発表しています。

ドコモへの支払い額が、41億から113億円削減になる試算は、2020年の回線数が350万回線になると仮定して試算しました。
2017年度は200万回線、2017年と2018年は年間60万増、2019年と2020年は年間30万増。2021年は増加ゼロとして計算しています。
IIJの自営HLR/HSSが稼働する2017年度から2021年度の5年間の契約回線数は180万回線になります。

IIJが回線数の目標を100%達成したら、ドコモへの支払い額は、5年間で80億から200億円削減できる可能性があります。

ドコモが、 Xi特定接続契約者回線管理機能の利用料(月額101円)を、20円しか値下げしなかったとしても、IIJが回線獲得目標達成なら、ドコモへの支払い額は5年間で50億円以上減ります。

(4)HLR/HSS解放のコストは5年以内に回収可能

MNOがHLR/HSSを解放し、MVNOがHLR/HSSを自前で持つために必要な設備投資額は、50億とも100億ともいわれます。

日本通信は、設備の仮想化が進んでコストが下がったので自社側の設備は30億程度で用意できる と言っています(タスクフォース議論、真の勝者はMVNO? 戦略転換の日本通信「HLR/HSS開放のコストは大きくない」:IT media)

MNO(ドコモ)側も設備投資が必要なので、その分もMVNO(IIJ)負担するとして、MNOとMVNOの両社合計で仮に100億円のコストが発生したとしても、IIJが回線数目標を達成したら、5年で楽々回収できることになります。

(4)自前HLR/HSSは大手限定

HLR/HSSの自前運用は、IIJが現有140万回線、2020年には700万回線を目指す業界No.2の大手MVNOなので、成立するものと思われます。

現在、IIJの契約回線数以上の回線を持っているのは、業界1位のNTTコミュニケーションズだけです。

MVNO業界で3位から、6位の、楽天モバイル、U-NEXT、ビッグローブ、ケイ・オプティコムの回線数は、40万前後で、IIJの3分の1の規模しかありません。

MVNO業界で3位以下のMVNOの規模で、HLR/HSSを自前で持つのは、MVNO事業以外からの補填等が無い限り、厳しいと思われます。

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