802.11ax チップQualcommから

IEEE 802.11ax 無線LANチップセットをQualcommが2月13日に発表しました。

端末(STA)用のチップQCA6290と、インフラ(AP)側のIPQ8074 SoCにより、802.11axをEnd-to-End サポートします。

802.11axにより、通信容量は4倍になり実効速度が向上し、消費電力も低減するとしています。

サンプル出荷を、2017年前半に開始するとのことです。

主な仕様

IPQ8074 SoC

  • 12x12MIMO (5GHz帯で8x8、2.4GHz帯で4x4)をサポート
  • 8x8 MU-MIMOをサポート
  • 80 MHz幅のチャネル8本をサポート
  • 最大速度4.8Gbps
  • 802.11axをサポート
  • ハード構成
    • 14nm FinFETチップ
    • FC-BGA、21 x 21 mm
    • 11ax 無線部
    • MAC
    • baseband
    • 4コア 64-bitの A53 CPU
    • dual-core network accelerator

QCA6290

  • 2x2 MU-MIMO
  • 最大速度1.775Gbps
    (2.4GHz帯と5GHzのデュアルバンドで1024QAM使用時)
  • Wi-Fiの消費電力を2/3に低減
  • チャネル幅:20/40/80 MHz
  • サポートする無線
    • 802.11ax
    • 802.11ac Wave 2
    • 802.11n
    • 802.11a/b/g
    • 2 GHz quad-core CPU

802.11ax概要

多数のユーザで混雑する状況でも、1ユーザ当たりの平均スループットを4倍以上に高めることを目標にして策定中の無線LAN規格。

電波利用効率向上による容量拡大をしていて、High-Efficiency Wireless(HEW)とも呼ばれる。

  • MU-MIMO(マルチユーザMIMO)採用
      • ビームフォーミングをして同時にパケットを伝送できるユーザ数が、
        11acでは最大4ユーザまでだったが、
        11axのMU-MIMOでは最大8ユーザに拡張
  • アップリンクのマルチユーザ動作に対応
      • 11axで初めて定義された新機能。複数の端末がAPに同時にデータを送信できる。
      • APからのトリガフレームによって、各端末が同時にアップリンク伝送を開始する。
      • 各端末が使えるストリーム数、周波数、RUサイズの情報はトリガフレームで指定される
  • ダウンリンクのマルチユーザ動作に対応
      • 11ac同様に、APが、複数の端末に対して同時にデータストリームを送信する
  • OFDMAの適用
      • 11axでは、特定のサブキャリアのセットを個々のユーザ(端末)に割り当て多元接続を行なう
      • 既存の20/40/80/160 MHz幅チャネルを、より小さなサブチャンネル(RU:Resource Unit)に分割する
      • 分割により1端末が利用できる帯域は狭くなるが、専用のサブチャンネルを利用すれば、CSMAによる衝突回避のための待ち時間が無いので、スループットが向上する
      • 最も小さく分割した場合、20 MHzの帯域幅を9分割し、9ユーザに専用チャネルを割り当てられる。
  • OFDMの拡張
      • OFDMのパラメータを拡張し、マルチパスのフェージング環境や屋外における堅牢性と性能を向上させた
    • OFDMのFFTサイズ4倍
      • 11acは64, 128, 256, 512だが、
      • 11axはFETサイズ256, 512, 1024, 2048をサポートする
    • サブキャリア間隔1/4
      • 11acは312.5 kHz間隔だが、
      • 11axは78.125 kHz
    • シンボル時間4倍
      • 11acは、3.2 μs + 0.8/0.4 μs CP(Cyclic Prefix)
      • 11axは、12.8 μs + 0.8/1.6/3.2 μs CP(Cyclic Prefix)
  • 1024QAMを採用
      • 11acは256QAMまで
  • 電力管理を改良
    • TWT(Target Wake Time)機能を定義
      • APと端末間で調整を行い、個々の端末が無線アクセスする時間を定義する。
      • APと端末は、予測されるアクティビティの持続期間などの情報を交換する
      • 交換した情報により、APは端末間の競合と重複のレベルを制御する。
      • 端末は、それぞれのTWTが到達するまでスリープできる
  • IEEE 802.11a/b/g/n/acとの下位互換性を確保

IEEE802.11ax の標準化スケジュール

IEEE802.11ax の標準化完了は、2019年になる予定です。

2018年3月に仕様の承認投票(Sponsor Ballot)がIEEEで行われ、
2018年12月のIEEE-SA Standards Board Standards Review Committee(RevCom)による承認を経て2019年初頭に最終確定する予定で、仕様策定をしています。

今は、Draft 1.0 が出来ていて、まもなくDraft 2.0の検討(recirculation)が始まる段階です。

多重アクセス(OFDMAとCSMA)

OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)

OFDMA:直交周波数分割多重アクセスでは、周波数の細分化(RUへの分解)により、端末毎に専用RUを割り当てる

CSMAのように同じチャネルを時分割する場合のような送受信待ち時間がなくなるので、在圏端末が多い場合のスループット向上が期待できる。

CSMA(Carrier Sense Multiple Access):搬送波感知多重アクセス

別の無線装置が観測中のチャンネル上で信号を送信していないことを、キャリアセンスで確認できた場合のみ送信を行うことで、衝突の回避

別の無線装置の送信信号を検知した場合、その信号が停止した後、ランダムに決まるバックオフ時間まで待機した上で、チャンネルがアイドルかどうかを再びキャリアセンスで確認する

無線装置が増えると、送信が可能になるまでの待ち時間が長くなり、その結果、平均データスループットが低下する。

無線LANのAPが多数存在する場合、システム間の干渉を回避できるように周波数チャンネルを割り当てられるだけの、周波数チャンネルがない。

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