フォーカルプレーン歪を克服へ

フォーカルプレーン歪を克服する新たな画像センサーを、Panasonice、Canon、SONYが発表しています。

しています。

フォーカルプレーン歪

フォーカルプレーン歪の例

高速で動く被写体や高速で動く物体を撮影する際や、素早いパンやチルトをした場合などに、画像がコンニャクのように曲がったり波打ったり、斜めに歪んでしまいます。

このような歪をフォーカルプレーン歪と呼びます。

三社三様に異なるアプローチで、フォーカルプレーン歪に取り組んでいます。

ローリングシャッターが原因

フォーカルプレーン歪の原因は、ローリングシャッターです。

ローリングシャッターCMOSセンサーでは、画素信号を1行毎に順次読み出すため、最初の行を読み出すタイミングと、最後の行読み出すタイミングに差がある。その間に、被写体が移動していると、画像が歪みます(フォーカルプレーン歪)。

SONYによるCMOSの改良

SONYはセンサーからの読み出し速度を高速化して、フォーカルプレーンひずみを抑えました。

1930万画素サイズの読みだしを120分の1秒、従来に比べ約4倍高速にしています。

SONYが発表したセンサーは、2120万画素(5520×3840画素)ですが、フルHD(207万画素)なら毎秒最大1000の読み出しも可能です。

高速化は、AD変換回路を2段から4段構成にして実現したとのこと。

CMOSセンサーに、DRAM層を1層追加して、読み出した信号をいったんDRAMに保存します。

これにより、CMOSセンサーから外部への読み出しインタフェースを高速化しなくても、従来のインタフェース規格に対応した低い速度での読みしにも対応することができます。

センサーから外部に読みだしす信号速度の制約を受けません。

グローバルシャッターの弱点

グローバルシャッターであれば、全ての画素信号信号を一度に全部読むので、フォーカルプレーン歪は起きません。

しかし、ダイナミックレンジが狭くなってしまう弱点があります。

このため、今はローリングシャッターが主流です。

グローバルシャッターだとダイナミックレンジが狭くなる理由

Global-shutter-CMOS.png

画素内の回路が複雑になってフォトダイオード部(PD)が小さくなり、グローバルシャッター性能を実現するために、十分に遮光された画素内メモリーが必要なので、フォトダイオード(PD)以外の回路部に光が入らないよう、各画素に遮光膜を形成します。

これがPDのサイズを圧迫し、PDの飽和信号量が減少します。

PDの飽和信号量が小さいと、明るいシーンは、電荷があふれてしまいます(白とび)

溢れる前に読みだすと、暗いシーンは電荷の蓄積が小さすぎて黒潰れが起きます。

飽和信号量を大きくするために1画素のサイズを大きくすると、総画素数を少なくしなければならなくなってしまいます。

Canonによる改良

Canonは、1回の露光時間内に複数回蓄積した電荷を読み出すことにより、PDの飽和に対応しました。

露光して電化を蓄積している途中で1度読み出し、PDを空にしてもう一度読み出し、2回分を足すことにより、グローバルシャッターでありながら、広いダイナミック(110dB)を実現しています。

昨年は4回読みだすタイプも発表していますが、今年は2回にとどめています。

読みだす回数に比例して必要なメモリ量が増えるため、メモリーが大きくなり、その分PDのサイズが小さくなり、感度が低下してしまうので、4回読み出しを止めて、2回にしたそうです。

Canonは、PDに光が集まるように、光ガイドを設けもいるとのことです。

Panasonicよる弱点の改良

有機薄膜に印加する電圧を調整することで、シャッター機能を実現するので、シャッター用の素子を追加をする必要がなく、飽和信号量の減少を伴いません

Panasoniceは、従来のグローバルシャッター付きCMOSイメージセンサーの約10倍の飽和信号量を確保できたそうです。

ただ、有機CMOSイメージセンサーには、蓄積電荷を完全に読み出せないので、画素リセット時のリセットノイズの影響を受けます。

Panasoniceは、リセットノイズを低減する「容量結合型ノイズキャンセル回路」を設けていますが、ノイズ=ゼロにはなっていません。

その他の改良

その他にも、さまざまな改良が提起されています。

  • 暗いシーンは小容量部に蓄積された電荷のみを高ゲインで読み出して黒潰れ回避。
  • イメージセンサー後段のアンプの利得を高低の2種類とする
  • PDから電荷があふれるほど明るいシーンの場合は、あふれた電荷を蓄積する、オーバーフロー電荷蓄積容量を設けて白潰れ回避。

HDRでダイナミックレンジ拡大

iPhoneなどのスマホはセンサーサイズそのものが小さいので、ダイナミックレンジが小さくなります。それをHDRで補っています。

iPhoneのHDRは、1回の撮影で自動的に3回シャッターを切ります。

1回目のシャッターで明るめ(明るい所は白とびしているけれど、暗いところをはっきり写す)撮影

2回目のシャッター標準で撮影

3回目のシャッターで暗め(明るいところをはっきり写し、暗いとこは黒潰れしたた画像)撮影

この3枚の画像から、白とびや黒潰れしていない良いとこ取りをして合成し、明るい部分の白飛び、暗い部分の黒潰れを抑えているのが、HDRです。

ダイナミックレンジは拡大しますが、フォーカルプレーン歪の対策にはなりません。

SE(Single Exposure、単一露光)ではないので、LEDのような点滅する被写体を撮影すると不自然な結果になることもあります。

ダイナミックレンジ

カメラのフィルムが10EV(Exposure Value)、60dBくらいのダイナミックレンジだと言われています。。

デジカメだと、12EV(72dB)から15EV(90dB)くらいのダイナミックレンジがあります。

ダイナミックレンジの比較

23.5EV(140dB)のダイナミックレンジが実現できれば、夜空の星から真昼の直射日光までを、白とびも黒潰れもなく1枚の写真に収めることができます。

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