警察からの電話をつなぐ機能

緊急機関(警察・消防・海保)からの電話は、通話中でも割り込め、着信拒否でも着信でき、転送設定していても転送されずに割り込めるようになる見込みです。

総務省が意見募集を行っている「事業用電気通信設備規則」改訂案に、緊急機関からの電話を、繋がりやすくする5つの機能が追加されています。

緊急機関からコールバックに関する「通報者とつながりやすくなる5機能」に係る規定の整備 として追加された5機能は以下のとおりです

  1. 110/119/118番の通知
  2. 転送機能の解除
  3. 着信拒否機能の解除
  4. 第三者との通話を一定時間制限
  5. 災害時の優先通信扱い

携帯電話も対象

固定電話用設備の技術基準を定めることを目的とした改訂ですが、答申には「携帯電話にも具備する方向で検討」と記載されています。

「事業用電気通信設備規則」改訂案の条文は以下のとおりです。

電気通信番号規則第11条 各号に規定する電気通信番号(110番、118番、119番)を用いた警察機関、海上保安機関又は消防機関への通報(以下「緊急通報」という。)を扱う事業用電気通信設備は、次の各号のいずれにも適合するものでなければならない。

携帯電話を除外していません。

改訂の目的

今回の「事業用電気通信設備規則」改訂の目的は、NTTのPSTNがIP化される際に、IP化された電話網が持つべき機能を定めることです。

現在のPSTNは、緊急機関と通報者の「回線保留」を実現していますが、IP化に伴い「回線保留」が困難になるので、その代替として、上記の「通報者とつながりやすくなる5機能」を具備することを求めています

PSTNの回線保留機能

PSTNは回線交換網なので、通話中は固定的に回線が保持されています。

終話とともに回線は解放されますが、交換機と緊急機関の指令台との間で、独自信号(回線保留状態への遷移、通報者端末の鳴動等)を送受信することで、通報者が電話を切っても保持している回線を開放しないことで、「回線保留」が可能です。

通報者が電話を切っても、緊急機関の指令台で電話を切らない限り、通報者から緊急機関までの回線を解放せずに保留した状態のまま回線が保留されます。

保留して回線を維持した状態で、緊急機関の指令台からの指示で、通報者の電話機のベルを鳴らし「逆信」することもでき、通報者が受話器をあげれば通話が回復します。

IP化すると回線保留が難しい理由

PSTNをIP化すると、回線交換網ではなく、パケット網になるので、回線の保持や解放という概念が無くなります。

現行PSTNの回線保留機能相当の機能を実現する場合は、呼制御を行うSIPサーバーに回線保留機能を実装する必要があります。

しかし、SIPプロトコルに回線保留の概念が無いため、SIPプロトコルの拡張を含む大規模な独自開発が必要になります。

回線保留の代替をコールバックとした理由

現在、PSTNではないIP電話網では、回線保留の代わりに、通報者回線をネットワークとしては切断として処理しつつ、別機能により再度通報者端末を呼び出すコールバック機能を使ってます。

PSTNのIP化の際も、現行のIP電話に準じてコールバックで回線保留を代替することにより、大規模な独自開発(通信費増)を回避できます。

携帯電話網での緊急機関からのコールバック

緊急通報受理機関からの着信を受けるための着信拒否の解除などの機能は、端末の機能として一部実装されています。

携帯電話から緊急通報を行った場合、着信拒否設定は自動的に解除されオフになります。

一定時間経過後には、着信拒否設定は元に戻る機種もありますが、元の設定に戻すためには自分で設定を変える必要がある機種もあります。

着信拒否だけでなく、機内モード、簡易留守録などの設定も自動的にオフになります。

端末の技術基準では、「緊急通報を発信する機能を備えなければならない。」と端末設備等規則の第二十八条の二に規定しているだけで上記の5機能は記載されていません。

現状、1XY通知の機能は携帯電話には具備されていません。

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